出版形態の5種類〜商業出版・自費出版ほか

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出版には色々な形があります。ここでは、それらを五つの形態に分類して説明します。

商業出版

まず基本として、出版社のほうから「本を出しませんか?」と声をかけられて出版が決まる場合。
費用も出版社の負担で出し、著者には印税が支払われる形をとる場合、これを商業出版と言います。

本の売り上げの7割程度が出版社に入金され、出版社はここから印税と経費を差し引いて利益にします。

そもそも出版社というのは特殊な業界です。新規参入が非常に難しい状態で、そう簡単には書店に本を置いてもらえません。なぜかと言うと、各書店には必ず一つずつ卸業者が付いており、出版社のように卸と取引がないと本を流通してもらえないという理由があるからです。そのため、例えば自分で立派な本を作り、それを直接本屋さんに持って行っても、置いてもらうという事は出来ません。
出版社-取次-書店という独自のルートを持つ出版社にしか、書店に本を置く事はできなかったのです。

出版社が費用を負担して、出版社が出したい、売りたい本を売るというのが商業出版でした。また、もしどうしても商業出版をしたかったら、出版業界に通じているエージェントやプロデューサーに依頼し、出版社につないでもらうことも必要でした。

自費出版のニーズ

そんな時、著者側が費用を全て負担してくれれば、たとえ本が売れなくても損しない、それなら置いてもいいのではないか?という考えが出てきます。普通に売ったら赤字になる物でも、この条件なら出版社にも多少のメリットがあるからです。
これが自費出版です。

出版社が利益を確保するために本を出すというより、著者が出したい物を出す形式となります。

ただし、慣れない出版契約書をもとに制作を進めるため、最終的な決定権がどちらにあるのかあやふやになるなど、トラブルの元になりやすいことがわかってきました。

また出版社にとっては本が売れなくても問題ないため、本の内容のクオリティが下がってしまい、自費出版の信用性も下がってしまう事に繋がりました。
自費出版で出したことで本のクオリティが下がりすぎてしまったり、本を出したはいいものの出しただけで終わってしまうというのはもったいないことです。

その中で、出版社が広告や内容の面で協力をして、制作費だけは著者に負担してもらうという分担制の発想が生まれました。これが「カスタム出版」などと呼ばれたりします。デザインなどの面である程度のクオリティが保たれますし、たとえ儲けが少なかったとしても出版社側は決定的な赤字にはなりません。

例えば新聞の広告欄の一番最初にはよく本の広告が出ていますよね。実は戦前からの取引で、本の広告は新聞の一番良い場所に出すと決められているんです。出版社が関わり本を商業出版扱いにする事で、そういった広告枠も使えるようになります。

カスタム出版は商業出版のようにも見えますが、基本的には自費出版の一部と考えたほうがよさそうです。著者が制作費を負担する代わりに出版社の協力を得られる、いいとこ取りというわけです。

ここで、そもそも本は物なので、どうしても在庫が余ってしまうという難点があります。

例えば本を印刷する機械はプリンターとは違って少しだけ刷るという事ができないため、平均5000部、最低でも1500部くらいは刷る事になってしまいます。余った在庫は倉庫で保管しますが、そこには資産として税金がかかってきます。実はこの税金が出版社にとって結構なダメージになるため、「できれば在庫は持ちたくない」というのが出版社の本音でした。

オンデマンド出版

この流れの中でインターネットのサーバーの技術が発達し、ネット上にたくさんのデータを置けるようになってきました。そこで自分のサーバーをたくさん持っているアマゾンが始めたのが、本のデータをネット上に並べて注文が入った分だけを印刷して発送するというオンデマンド出版という方法です。

この方法なら注文が入った分だけ印刷するので、在庫が余ってしまうという事がなくなります。また今までは倉庫の限界で置けなかったような古い本もデータにしておけば良いですし、本のように劣化する心配もありません。

現状ではプリンターでの印刷なので質は少し落ちますが、その分印刷機ではできなかった少部数の印刷もできます。オンデマンド出版にはたくさんのサーバーとそれを管理する能力が必要ですが、多種多様できるのがの強みと言えます。

制作ベースには商業出版と自費出版の両方があり、出版社がデータをそのままAmazonに渡す場合と中規模の業者が制作したデータを渡す場合で分類されます。

同人誌

なお、触れませんでしたが、同人誌という形式もあります。
同人誌はそもそも自分達で印刷して手売りするものなので、バーコードやコードもなく、流通もしていません。種類として一番多いのが文芸や漫画です。よく幕張メッセなどで即売会をやっていますね。
ページ数も少なめで、見た目は厚めのパンフレットに近いと思うかもしれません。自分で考えて印刷した物を自分で売るという形のため、費用も売り上げも全て自分という事になります。

以上のように、現在私が分類するところによると、出版の方法は5種類です。
当サイトは実用書・ビジネス書専門ですが、形態でいうなれば漫画小説や詩集なども同様に分類できると思われます。

出版の方法の分類

もう一度上記をまとめると、以下のようにまとめられます。

1・商業出版
2・自費出版
3・オンデマンド出版
4・同人出版
5・電子書籍

1・商業出版・・・リアル書店とネット書店に流通。出版社が制作費(300万円〜500万円程度)を負担。

2・自費出版・・・リアル書店とネット書店に流通。著者が制作費と広告費、流通倉庫費など経費一切を負担する。販売や流通、在庫管理(一部または全部)は出版社がおこなう。

3・オンデマンド出版・・・ネット書店のうちアマゾンなど特定サイト・サービスにて販売。近年登場。著者が制作費を負担する。在庫がないため流通や在庫がない。バーコードには専用のコード番号を付与。

4・同人出版・・・同人誌。出版データを自ら印刷所で印刷し、在庫を管理する。販売は手売りのみで、バーコードも発番しなくてもかまわない。在庫は著者が管理。小説や漫画に多い。

5・電子出版・・・紙で印刷せず、アマゾンのキンドルなどで配信する。電子データのため、在庫そのものがない。バーコードは自動で発番される。

制作データをだれがつくるかでさらに2分類される

さらに、上記の5種類も、制作データをだれがつくるかでさらに2分類されます。基本的には制作を外注するコストが捻出できるかどうかで決まります。

1・商業出版・・・基本的に出版社の編集者がつくる。持ち込みのままでは刊行できない。
2・自費出版・・・これは要注意で、編集がつくといってもほとんど内容にタッチしてくれないケースもある。
3・オンデマンド出版・・・編集をつけることもつけないことも可能。編集やライターをつける場合は一定の著者費用負担が必要。
4・同人出版・・・編集は通常、つけない(コストが回収できないため)。
5・電子出版・・・編集は通常、つけない(コストが回収できないため)。

以上、出版の分類をお伝えしました。
出版への知識がないとなかなか区別が難しいですが、基本的には誰がお金を出すかと在庫があるかどうかなどで区別できます。
それぞれにメリットデメリットがあり、商業出版が必ずしも優れているわけでもありません。出版を検討する場合にはプロの編集者やエージェントに相談し、ベストな方法を探しましょう。

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