企業本紹介:『絶対にゆるまないネジ 小さな会社が世界一になる方法』(中経出版)

企業出版, 成功事例

絶対にゆるまないネジ 小さな会社が世界一になる方法
ハードロック工業株式会社代表取締役社長 若林 克彦
中経出版、2011

企業にとって、製品への絶対的な自信は最大のコンテンツ。
特に社長自らが語る場合には、製品をめぐるストーリーや理念などが次々とあふれでてきます。
CONTEが分類する5つの企業コンテンツのうち、こちらは「製品やサービスの魅力」を中心に書かれた好例です。

たった1つの部品「ネジ」をめぐる創業ストーリー「絶対にゆるまないネジ」。

本書が刊行された時点からすでにテレビ東京「カンブリア宮殿」などビジネス番組で特集されていたのですが、読んでみると有名企業とは思えない等身大で正直な姿がそこにはあります。

こちらは企業本としても非常に面白いポイントが凝縮されています。
以下、注目すべきポイントをまとめてみました。

注目ポイント1・関西弁の会話と文章のバランス

創業からのストーリーは少し全時代的な時代背景があるものの、
製品サンプルをもってメーカーに営業まわりをするシーンは熱血そのもの。
「必ずうちの商品を使ってくれる」
という思いに説得力があります。

あまり会話調にしすぎると単調になりかねないのですが、本書の文章ではそこがじつに上手に描かれています。

関西弁の会話と社長による状況説明、そこから得られたノウハウとそれぞれの文章が適度な量でくりかえされるため、いつまでも飽きずに読み進めていくことができます。

注目ポイント2・親近感を生む、赤裸々な内容

大手メーカー・日立からの受注をめぐって視察が入ることになったハードロック工業。
ところがあまりの工場の汚さに「絶対に外部に見せられない」としてごまかそうとする姿は滑稽でもあります。

梅田の料亭で酒をのませて事なきをえたかに見えたものの、結局次の視察でバレてしまいますが、工場の惨状を見かねた日立の担当者がサポートを申し出てくれるという急展開は、まるでドラマのよう。

ポイントは恥ずかしくて隠したくなるような昔話も堂々と言ってしまうこと。
率直な過去の告白がかえって親近感をもたらしてくれます。

注目ポイント3・自慢話と具体的内容のバランス

実績があるぶん、企業が成功してからのストーリーは自慢話の羅列になりやすいのですが、適度に製品の説明や専門的な知識を入れ込むことで、関係者や同業者が読んでも参考になる内容が盛り込まれています。

製品が画期的すぎたために途中同業他社にあっさりと勝ってしまうシーンなどがあり読み応えがなくなる点もありますが、そこに具体的なノウハウや知識を入れることでカバーしています。

内容別にはっきりと章をわけることをせず、どちらかといえば著者が話したいタイミングで内容が出てくるのですが、やわらかい文体ではそれもありかなと思わせてくれます。

この本から学べる企業コンテンツの作り方

この本は製品への絶対的な自信をもとに、それが世の中に受け入れられていくストーリーをそのまま体現しています。

ストーリーが順調なぶん、単なる自慢話にならないような工夫をしていくことが大切です。
企業コンテンツの「製品やサービスの魅力」を語ろうとするとカタログ的な説明になりがちですが、本書のように一人称で製品をめぐる波乱万丈を語っていくやりかたで、魅力的なコンテンツをつくることができると思います。

素材やアイデアに圧倒的な優位性がある企業がどうやって企業コンテンツをつくっていくべきか、その手本になる一冊です。

目次
第1章 こうすれば小さな会社でも世界一になれる!
第2章 中小企業こそ営業力を強化しよう!
第3章 「逆境」をどうやって味方にするか
第4章 オンリーワン商品をロングセラー商品に育て上げるコツ
第5章 儲かるアイデアを生み出す思考法

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