企業本紹介:『スノーピーク 好きなことだけを仕事にする経営』(日経BP社)

成功事例

スノーピーク 好きなことだけを仕事にする経営
山井太
日経トップリーダー編

今回紹介するのは、キャンプ用具メーカーとして知られるスノーピーク社の企業本です。
アウトドア分野ではハイエンドメーカーとして知られ、10万円以上もする製品も珍しくありません。

価格設定からもわかるように、キャンプユーザーのなかでもハイエンドユーザー向けにはっきりとターゲットを絞っているのですが、本書でもそこがはっきりと現れています。

では、本書で注目したいポイントを列挙していきます。

注目ポイント1)ターゲット像をこれでもかと描く

本書の1章のタイトルがいきなり「熱狂的なファンが支える」とあるのですが、これは本としてはかなり珍しいことです。

通常は企業のなりたちや製品について一通り紹介してからファンのことを付け加えるほうが多いのですが、本書がそうしないのは「徹底的な顧客像イメージ」があるからです。

ハイエンドユーザーを実際に本書では高所得者で都市部で働く知的関心層と明確に定義し、その顧客像に合うものだけを選び取るということが伝わります。

注目ポイント2)高潔に伝える

こちらもユーザーが読む企業本としては非常に珍しいのですが、本書の文体は「です・ます」調ではなく「だ・である」調でつくられています。

それだけでなく、文体もいかにスノーピーク社が高い理想をかかげてそれを実現しているかということが連綿と綴られます。

著者が2代目社長ということもありますが、創業時からの波乱万丈のストーリーでたくさんの失敗をしてきた、という話が本書にはほとんどありません。
むしろ、父親から社を譲り受けるときに方針をスパッと変えたところから本書がスタートしています。

自身もキャンプのヘビーユーザーとして高い理想を持つ著者が、スノーピークについてあらゆる部分にこだわりぬいていることが文体からも伝わってきます。

注目ポイント3)写真はすべて全段抜きで

本書は日経トップリーダーが編集していることもあり、写真が雑誌的なありかたで大きく挿入されています。

通常書籍では本文に出てきたところにすぐ該当の写真を入れるのですが、全段(1ページまるごと1枚写真)にこだわるべく位置をずらして(唐突に)製品や社員の写真
出てくるところにメリハリを感じます。

本書はモノクロ印刷ではありますが、写真を全段で大きく扱うことでイメージしやすくなっています。
写真もありものではなくプロのカメラマンが同じ時期に撮ったもので揃えることで美しいレイアウトが可能になります。

さらに書籍としてみてみると、骨太なつくりを好むメーカーであることを体現するかのように、本の紙質やカバー加工も丈夫なつくりになっているところも隠れたこだわりとして発見できます。

この本から学べる企業コンテンツの作り方

この本からは「企業の顧客像を徹底的に描くこと」の大事さを学ぶことができます。
特に値段や機能などがハイエンドユーザー向けの製品だとわかるものに関してはあらかじめ顧客像を伝えることで、このコンテンツが誰に向けて作られているのかを明示することができます。
「これは自分のことだ」とわかれば、読み手も集中してくれるはずです。

逆に顧客像ではないものやイメージとかけ離れた事象は徹底して削除することも必要なのかもしれません。
本書でいえば経営上の失敗や社内外の個別の人間関係などについて、他の本と比較してあまり触れられていませんが、コンテンツとして不要であると判断されたのだと思います。

有名メーカーではありますが、思想はどこまでもベンチャー的なスノーピーク社から、顧客像を明確にすることの大切さを学びとることができました。

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