電子書籍を売るためには、どこで買われどう読まれるかを意識する

アマゾン, 出版, 電子書籍

電子書籍が普及しはじめました。2016年、漫画分野においては25パーセントが電子書籍になったという報告もあります。
さて、当サイトでお話する実用書やビジネス書については、電子書籍の普及はどれくらいでしょうか。こちらは漫画ほどはいかず、現在10パーセント以下と考えられています。

知的エリート層や、iPadやKindleなどが発売されたらすぐに買うようなアンテナが高い層に対しては電子書籍はなじみが良いといえます。
デジタルに対して抵抗がなく、新しいものを積極的に試すような人はたいてい、実用書やビジネス書が好きなためです。

ただし、そういった都心の朝のカフェで見かけるような「仕事がデキる」方々は、世の中の総数でいえば多数派とは言えないと思います。

世の中の多数派を占める読者像は、全国の中高年層です。毎朝習慣的に、家で座って新聞を読んでいるようなイメージですね。

これら中高年層がKindleなどの電子書籍リーダーを一人一台以上持つようになってから本格的な普及が始まるのではないでしょうか。

どこで買われる?

まず電子書籍がどうやって買われるかを分類して考えてみたいと思います。

・SNSなどで発売情報を知っており、発売日当日にすぐさまダウンロード
・インターネットを見ていたら紹介されていたのを見て、そのままリンクをたどって購入
・書店(リアル店舗)で見かけて買いたいと思ったが、紙の本より電子書籍のほうがいいなと感じてそのまま検索して購入
・紙の本を書いたかったが、リアル書店に在庫がなく取り寄せを待っている時間もないため、仕方なく電子書籍を購入
・なにげなくアマゾンを見ていたら本のセールをやっていることを知り、セールのうちに購入

などでしょうか。

実際に購入する電子書店サイトとしては、アマゾンのほかに楽天や紀伊國屋などがあると思います。それぞれ別のセールをしていたりするため、複数の電子書籍を使い分けたほうが得になりやすいのですが、相当電子書籍に慣れていない限りは複数の電子書店を比較することはしないと考えたほうがよいでしょう。

私自身、いくらか安くなるよりも先に早くダウンロードして読みたい気持ちが強いため、アマゾン以外のサイトはあまり見ることがありません。

業界関係者の私でもそうなのですから、一般の慣れていない読者も複数サイトを比べるよりもいつも購入しているサイトでまず購入すると考えたほうがよさそうです。

シビアな試し読みがなされる

さらに電子書籍には立ち読みならぬ「試し読み」部分があるため、すぐに購入するよりも先に「試し読みだけ無料ダウンロード」をすることがあります。

アマゾンでいえば「無料サンプルを送信」というボタンを押すことで、書籍の1割程度が端末に自動でダウンロードされます。本文が多く読めるものと、目次までしか読めないものがあります。

数百円のものであっても読者はシビアです。というのも、数百円の電子書籍の中には品質の劣るものも数多く存在するため、即購入は損しやすいからです。サンプル部分で本の品質を吟味したうえで購入すると考えられます。

さらに、リアル書店での立ち読みであれば、立っているのが疲れるため早々に切り上げてくれます。「もう一回この本屋に来るの面倒くさいから買っちゃおう」となるかもしれません。

しかし電子の場合、試し読み状態のままどこにでも行けてしまいます。いわば「ずっと立ち読み」の途中で止まっているようなイメージです。
それなりに興味があったとしても「あとで読んでみて良さそうなら買おう」と思ったまま放置されてしまう可能性が高いということです。

試し読みの結果、読者がこれなら買ってもいいなと感じた場合にようやく購入されます。

移動や出張の前にダウンロード

電子書籍の利点は荷物にならないことですから、旅行や出張と非常に相性が良いといえます。

たとえば東京から関西に向かう新幹線は2、3時間ですから、本を1冊まとめて読むのに適しています。私も出張が多いため、東京駅で読みたい本をKindle端末にダウンロードしてから乗るようにしています。

「長距離移動の前には電子書籍を買う」という習慣が増えればよいですね。

Kindleアンリミテッドで出合う

出版社から刊行されている商業出版の本の場合、Kindleの読み放題サービス「アンリミテッド」に登録されることがあります。
月千円程度で読み放題であることから、読書好きにとっては非常にうれしいサービスなのですが、読み放題ならばといつも手にとらない本を読む可能性があるかもしれません。

電子出版のものがアンリミテッドに含まれており、それが読まれることでロイヤリティ(印税)が入ります。
そこで著者に興味をもち、「アンリミテッドに入っていないものももっと読んでみたい」となれば、著者名で検索して買いにきてくれるかもしれません。

以上、電子書籍の読まれ方、出会い方を思いつくままにまとめてみました。
今後ますます普及していき、紙の書籍とはまた違ったものとして利便性が高まるとよいですね。

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