社長が出版プロデューサー・エージェントに依頼するための方法

企業出版の方法, 商業出版

ある程度出版業界についてリサーチを進めている社長であれば、「出版プロデューサー」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
「本を出したいから、出版プロデューサーとやらを探すか」、と考えることは自然でしょう。

私自身は出版プロデューサーではありませんが、業界としては非常に近い関係にありますし、実際に何人かと面識もあります。ここでは一般的な方法や注意点についてお話ししていきます。

出版プロデューサーとは

基本的には商業出版のルートに新規著者をつなぐエージェントのことを指します。

商業出版(=出版社が費用を負担し、一般の書店で紙の本で数千部以上販売される)をおこなうためには、出版コードを持つ出版社から本を出して流通させなければいけません。出版社とコネクションがない場合、自分で出版社に連絡をとって原稿をもっていかなくてはいけませんが、社長が本業のかたわら出版社を回ることは現実的ではありません。

「社長の代わりに出版社を回ってくれる人」が求められるとき、その役割を担ってくれるのがエージェントというわけです。

出版プロデューサーにはもう一つ、本の持ち込み企画を仕上げてくれるという役割もあります。
社長が著者となるために必要なネタだしやプロフィールづくり、出版戦略立案など、本来出版元の編集者がおこなう仕事をあらかじめ代行してくれます。
すべての出版プロデューサーが持っているわけではありませんが、ある程度整理された企画書をつくることでエージェント業務が円滑になるため、出版プロデューサーが企画立案もサポートしてくれるのは自然なことだといえるでしょう。

(なお、「出版プロデューサー」という表記は登録商標となっており、日本著作出版支援機構株式会社がその商標を保持しています(35類、41類)。といっても、実際には登録されていない出版プロデューサーでも多数、立派に活躍されている出版プロデューサー(と名乗っている方)はたくさんいらっしゃいます。

以下は特定の誰かについてではなく、一般的な役割として述べていきます。

出版ジャンルと出版形態に応じたプロデューサーを選ぶ

出版ジャンルを間違えない

出版プロデューサーに依頼する際、まずはその人が自分の出したい本のテーマの方かを調べましょう。

社長が本を出したい場合は経営書か自己啓発書、レアなケースでも業界分析本でしょう。これらはいずれも、ビジネス実用書の分野になります。そのため、出版プロデューサーもビジネス実用書の実績がある人を選ぶことが大切です。
出版プロデューサーごとに得意なジャンルやつながりの強い出版社は異なりますから、最初の段階でジャンルを合わせておけば苦労しません。

商業出版かどうかを考える

ジャンルを確認したら、次は商業出版かどうかを考えます。商業出版と自費出版の違いはひとことでいえば「誰がお金を出すか」です。
これを間違えると思わぬ出費を求められることになるのでくれぐれもご注意を。

※出版形態についてはこちらをお読みください:
出版形態の5種類〜商業出版・自費出版ほか http://con-te.me/5type-of-publication

理想はお金もかからず、内容も著者側の思い通りにできる本がベストでしょうが、なかなかそうはいきません。費用と内容、流通のバランスを考えて商業出版か自費出版なのか、はたまた当サイトが推奨しているオンデマンド出版なのかを考えましょう。
なお、電子書籍については単価が低いためエージェントやプロデューサーをつけることは稀です。

ここで、最初は「商業出版でお金がかからないですよ!」といっていたのに、出版元が見つからないからといって「自費出版にしませんか?」と切り替えてくるプロデューサー・エージェントは危険だといえます。
出版プロデューサーはその信頼度がモノを言う世界。もし最初に商業出版を強く約束していたのにそれを守ってくれないのならば、信頼に足らないとして一度断ってしまってもいいでしょう。

出版プロデューサーを選ぶための3つのポイント

ポイント1 どの出版社と出版実績、取引関係があるか

まずは、どこの出版社でこれまで本を出したことがあるかを確認しましょう。あくまでプロデューサーやエージェントはつなぎ役ですから、どれだけ大きなことを言っていても出版社が決まらなければ無意味です。
また実績がウェブサイトに書いていないところや、単に「大手出版社と取引多数!」などとうたっているところは信じるに値しません。聞いたことのない零細出版社にしか持ち込めない出版プロデューサーは存在意義がないともいえます。
なお、ここで「紙の本を出したことすらない」会社、つまり電子書籍配信会社につながれてしまうようであれば、やめておきましょう。

ポイント2 企画立案をやってくれるか、持ち込みだけか

先程もお話ししましたが、持ち込みだけではなく業界標準を満たした「書籍企画書」をつくってくれるかも大切なポイントです。
もちろんつくってくれたほうが持ち込みが進みやすいため好条件ですが、ここで「いい加減な企画書はないのと同じ」ということにも注意しましょう。
その出版プロデューサーがきちんとした企画書を書ける人物なのかは確認しなくてはいけません。

出版プロデューサーが出版経験者や元出版社編集部員であれば、企画書の作り方を心得ているので問題ないでしょう。しかし、出版業界未経験者だと、企画書の書き方がわからず、持ち込みが進むまで多大なる時間がかかることもあります。

実際には出版社のほうの編集者が最終の企画書をまとめますが、それに頼りっきりの出版プロデューサーでは心もとないです。

ポイント3 本の発売後の販売促進もやってくれるか

最後は本の刊行後、PRイベントやウェブ販促などをやってくれるかも大切です(新聞広告や電車広告を打つのは出版社だけですからここでは省きます)。

知名度があるプロデューサーであれば、自分がプロデュースした本として一定の販促をしてくれるかもしれません。ただし、これも商売ですから、販促には持ち込み料とは別に販促費用がかかってきます。また、出版プロデューサー側が動いてくれたことで実際にどれだけ効果があがったのかはなかなか効果計測しにくい面もあります。

こちらはどちらがいいとは言い切れません。本の実際の制作がスタートしてからはほとんどタッチせず、出版社のほうに販売促進を任せる出版プロデューサーもいます。

販促が得意なプロデューサーであればぜひ任せたいところですが、本をつくることと売ることは専門性が異なるため、割り切ってしまうか別の業者(販促専門など)に頼んだほうが安くつくこともあるでしょう。

出版プロデューサーとのトラブル例

トラブルとしては内容面と金銭面に分かれます。

本の内容についてのトラブル

内容面としては、社長が「これでいきたい」といった内容を、プロデューサーの持ち込みの過程で大幅に変えられてしまい、不本意な本ができてしまうケースです。
プロデューサーが持ち込む先である商業出版では内容を大幅に変えられてしまうことが常であるため仕方がないのですが、こんな内容になるならはじめからやりたくなかった、となるのは残念です。
内容のトラブルを回避するためには、出版が決定する時点で、OKが出るにはどれくらい内容を変えられてしまう可能性があるかを慎重に確認し、納得のうえで進めましょう。

金銭面のトラブル

出版プロデューサーは商売で行動していますから、プロデュース料金として一定の金額を請求するのは当然のことです。
しかしながら、物やサービスを直接売るのではなく「つなぐ」ための仕事ですから、その金銭面は基準がばらばらになります。

持ち込み料なのか企画料なのか、どこにお金がかかるのかも違いますし、金額も10万円単位で異なります。あるエージェントは大手出版社に持ち込めるぶん100万円、別のエージェントは中堅どころにしか持ち込めないが50万円・・・ということもあります。

ここで難しいのは、エージェントごとに持ち込み可能先が異なるため、報酬が安いからといって簡単にエージェントを取り替えられないことでしょう。持ち込み先の出版社のグレードも変わってしまうためです。
しかしながら、「大手に持ち込んでくれるというから多額の報酬を約束したのに、結局決まったのはよく名前も知らないような小さい出版社だった。これなら他の出版プロデューサーに頼めばよかった」となるのは悲しいことです。
また、持ち込み料はまだ合否がはっきりするためわかりやすいのですが、さらに他の項目で報酬がかかるケースがあります。出版プロデューサーとの発注書のなかに、
・企画料(△万円)
・PRアドバイス料(△万円)
・販売促進費(△万円)
など名目が多数出てくることがありますが、それぞれが果たしてどれくらい仕事をしてくれるかは事前に確認したいところ。
もし、「PRアドバイス料として10万円かかっているが、それにみあったアドバイスをしてくれているとは思えない」となれば、トラブルとなります。
一括の金額だけでなく内訳をみながら、報酬とのバランスをシビアに判断したいものです。

出版プロデューサーを挟まないで済むケース

ここまで出版プロデューサーに依頼することを前提として説明してきましたが、もしあなたが一定の知名度がある会社の社長であれば、出版プロデューサーを通さなくても出版が決定する可能性は大いにあります。
出版プロデューサーを通すと、出版社と著者との間にもうひとつ権利主体が生まれるため、自分の思い通りにしにくい点が生まれてしまいます。余計な出版プロデュース費用や印税の一部を持っていかれることが嫌だと思う社長もいるでしょう。
シンプルに「出版社で自分の本を出す」ためには出版プロデューサーを挟まないで済むケースも知っておきたいです。

とは言っても、出版社の人と知り合いはいないし、どうやってやるの?という疑問があると思います。
もちろん、何もしなくても出版社から声がかかれば理想的です。自分のウェブサイト、ブログやSNSを見て出版社側からオファーがあればトントン拍子に話は進むでしょう。

オファーがない場合、「出版社の編集者が集まる場所に行く」ということが答えになります。編集者が集まる場所とは、どこでしょうか。
それが、「他の著者の出版記念セミナー、講演会」です。
セミナーのあとには講師との名刺交換タイムがあると思いますが、そこで「編集者さんは今日来ていますか?」と聞いてみてください。たいていはセミナースタッフとして会場のどこかにいるはずです。ついでに名刺交換ができれば、次二人で企画のアイデアを話してみませんか、となることもあるでしょう。

あくまで出版プロデューサーは、出版社とつながるための過程です。知り合いに出版プロデューサーがいるからといってとらわれたり、選択肢を限定する必要はないでしょう。

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