成功する社長ブログ本のポイントと具体的ステップ

企業出版, 出版の基礎知識, 情報発信, 電子書籍

社長が毎日ブログを書くことが増えました。アメブロやはてなブログのようなくだけたデザインのブログを書くことで親しみやすく感じてもらう方法もありますし、デザインされた専用のサイトをワードプレスでつくる人もいます。

ブログを半年や一年ほど続けて、一定の分量が溜まってくると、「これまで書いてきたブログをまとめて本にしたい」と考える人がでてくるかもしれません。

企業の代表として、毎日濃い内容を書いてきたはずですから、うまくまとめることで本1冊の分量になるのではないか、ということです。

しかしブログ本は難しいもの。うまく本としてまとまるものはほんの一握りです。ここでは成功する社長ブログ本の条件について考えていきたいと思います。

ブログ本とは

ここでいうブログ本とは、ブログで書いてきた各記事を時系列にまとめたものを指します。社長の場合、大抵ブログの内容は、たとえばこういった内容だと思います。
・社員に伝えたい話
・経営のこだわり、経営のコツ
・失敗やクレームから反省した内容
・自身の生い立ち
・これからチャレンジしたいこと

毎日書くことを最優先にしているため、テーマの統一性よりも即時性やかきやすさを優先しているのではないでしょうか。

もし社員に伝えたい話だけで1年間、毎日書いていたならば本にすることは簡単です。しかし、テーマが混合していると、とたんにまとめにくくなります。

もし本にするとしたら、ブログの記事すべてではなくそのうちのどのテーマのものにするかを選ぶ必要がありそうです。

設計がうまくいかないと逆効果

さて、ブログから本を考えるときにどのテーマにするかを設計していく必要があります。
これは、単に時系列に並べるだけでは、本としてちぐはぐな内容になってしまうためです。

さて、設計とは大きく分けて次のような項目をいいます。
・読者ターゲットは誰か
・読んだあとどのような印象や感想をもってほしいか
・自分自身の単著として出すか、会社名義で出すか
・どのような形態で読んでほしいか(紙の本か、電子書籍か、薄めのパンフレットか)
・どれくらいの予算をかけるか(単体で黒字にするか、赤字でもいいか)
・いくらで売るか(無料か、500円前後か、1000円前後か、1500円前後かなど)
・どれくらいの期間読んでもらうか(短期間でいいのか、長期間同じものを売るのか)

より詳しくみていきましょう。

読者層を明確にする

同じ社長ブログであっても、読者層が誰なのかによって書き方は異なります。

まずはメインとなる読者を1つ、決めることが大切です。
なぜなら、読者を決めていなければ、同じ内容であってもどの程度詳しく話すかが決まらないためです。

・商品を買ってくれる既存顧客向けに経営理念を伝える のか、
・会社が大きくなったことで、既存顧客以外の人に会社の存在意義を伝える のか、
・同業者向けに業界全体の奮起を促すべく、一定の知識をシェアする のか、

はたまた社内向けに
・20代や30代前半の若い社員に読んでもらって仕事の基本を学んでもらう のか、
・課長以上のマネージャー層に経営理念を浸透させる のか、

など、同じ本であってもターゲット設定は実に多様です。

特に一般社会向けなのか社内向けなのかで内容は大きく変わりますし、兼ねることはできません。出版によって何を実現させたいのかを考えながら、一つに決めることが大切です。

時制を揃える

ターゲットが決まったら、ある程度伝えるべき内容が定まってくると思います。
そのテーマにそってこれまでのブログ記事のアーカイブを見直すと思いますが、ここで忘れてはいけないのが「時制を揃える」ということ。

ブログはその日付においての書き方伝え方になっているため、同じ本のなかに古いものと新しいものを混在させてしまうとうまくいきません。

本のなかに「掲載時の日付」を載せることもできますが、クオリティは格段におちますし、古い情報だと分かったうえで読ませることは読者に対して不親切です。

本の刊行日時点での情報に揃えるべく、徹底的に文章を書き直すべきです。
特に当時のホットトピックやその日の業界ニュースなどに言及したブログは、後から見てみるとわざわざ本にするほどの内容ではなかったりします。くれぐれも注意しましょう。

著者としての立場をはっきりさせる

社長ブログを本にしているわけですから、立場ははっきりしているはずだと思うかもしれません。しかし、最初に読者ターゲットを決めたことで、社長のなかでも「どういう立場の社長なのか」を1冊の本ごとに決めなくてはいけないのです。
立場というよりは本のなかでの著者としての立ち位置、に近いでしょうか。

著者としての立場というのは、具体的には次のようなことになります:

・業界の先頭をいくリーディングカンパニーの代表としての言葉
・業界の伝統を守る職人としての言葉
・社員100人を大切にする「名経営者」としての言葉

代表的なものをあげただけでも、社長のタイプはさまざまであることがわかりますね。
すでに事業の実績があるのか、先代から社長を受け継いだ2代目なのか、それともこれからチャレンジする新参者なのかでも印象はかわります。
どういう社長の性格なのかによって、同じメッセージでも受け取られ方は大きく変わってきますから、ここも慎重かつ細かく決めておきましょう。

紙の本と電子書籍の違いを踏まえる

紙の本で出すことと電子書籍で出すことは、メディアの特性から考えても大きく異なります。

紙の本はコストをかけて、長く残るものをじっくりつくるイメージです。
電子書籍は短期間で普及させるものを、あまりコストをかけずぱぱっとつくるイメージです。

紙の本をつくるには、どんなに急いでも半年程度かかります。変化の激しい業界であればその半年で内容が大きく変わることもあるかもしれません。紙の本を出したときには内容も立場も全然変わっていた、では話になりませんからね。

そのため、紙の本を出すということはある程度何年か経過しても通用する内容をまとめるということになります。受け取る側も、形のある手間のかかったものとして受け取ってくれますから、より丁寧にメッセージを感じ取ってくれるでしょう。

いっぽう電子書籍は比較的早く(数週間程度)刊行し、タイミングにあわせて値段も変化させることができます。そのためウェブサービス業界など変化の激しい業界においていま自らの考えをまとまって表明したい、ただしブログでは物足りないというときに電子書籍が有効になります。

受け取る側は現状、専用デバイスよりもスマホやタブレットなどで読むことが多いですから、「たくさんあるアプリやメールを開きながら読む」という点で、日頃のスマホづかいの一部として内容を受け取ってくれます。少し文章の長いニュース記事を読むような感じでしょうか。
電子書籍の作り方をちゃんとしておかないとブログと何も変わらないということも起こり得ます。

出版方法を決めて業者を探す

電子書籍は自分でも配信できますが、紙の本の場合は出版方法を選び、それにあわせた業者を選定していくことになります。
世間で有名な会社であればすぐに対応してくれますが、そうでもない場合は意外と時間がかかることもありますので時期には余裕を持ちましょう(なお、一般的に出版業界は時間の流れが遅く、期日などを厳格に守らない性質があります)。

出版社がコストを負担する代わりに内容に大きく干渉する商業出版、著者がお金を出すぶん内容は自由にできる自費出版などさまざまです。いずれもある程度企画イメージを書類でつくっておいてから相談するとイメージが共有しやすいでしょう。

詳しくはこちらに記事にまとめています:
どの出版形態にするか〜商業出版、自費出版、電子書籍ほか

以上、社長がブログ本を出したいと思ったときにたどるべきステップをまとめました。単にウェブ記事をまとめただけでは本にならないことはなんども伝えたとおりです。
ウェブにはウェブ、本には本の正しい戦い方があります。

本を出したけれども何の意味もなかった、とならないよう、セオリーを踏まえて、丁寧な出版活動をおこないましょう。

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