「社史やヒストリーをつくりたい」、企業がある程度成長し、一度会社の歴史を振り返る段階で考えることがあるかもしれません。
社史を検討するのは、たとえば10周年や20周年などの節目、またオフィス移転などの節目になるでしょう。

本をつくることには、形にして出すことそれ自体に意味をもちます。
書籍というものは読んで字のごとく「書」かれた物であると同時に、「籍」を得ます。
得られた籍は専用のコードが与えられ、一般の流通物となります。ISBNをつければ国会図書館にも納入されるでしょう。

企業のある時点の活動を形にして残すことは、発売した直後もそうですが、それ以上にある程度時間が経ってからその価値を増していきます。

どの出版形式にするか考えてからスタートする

まずは企画の最初として、どのような出版形態をとるかを考えるべきです。

出版形態には自費出版、電子書籍配信、アマゾンなどでのオンデマンド印刷、一般販売をしない同人・会報誌などがあります。
相当有名な企業でも無い限り商業出版は難しいため、商業出版をのぞいた方法のいずれかを決めていきましょう。

長期的保存を視野に入れて造本する

出版形態がきまったら、次は本の完成系のイメージをまとめます。

もし本格的に社史をつくるなら、長期的な保存をするべく、カバーや造本にもお金をかけることをおすすめします。

通常の一般書では、取り外し可能なコート紙のカバーがついていますが、これだとどうしても何度か触っているうちに劣化してきます。不特定多数が触れるうちに折れ曲がったりすると、せっかくの社史の見た目も悪いですよね。
また造本についても、並製ではなく上製と呼ばれるハードカバーにすることで本の寿命は大きく伸びます。100年残る本として、存在感も抜群です。

当然、それだけの体裁をとるものですから、内容についても気合いを入れなくてはいけません。

単なるインタビューの文字おこしだけではなく、社長の随筆や関係各社からの寄稿、年表や創業当時のお宝写真などもふんだんに盛り込む必要がでてきます。

写真についても、デジカメで写真を管理するようになったのは最近のことですから、ほとんどの写真がフィルム現像された一枚だけのものかもしれません。それを高画質でスキャンしてデジタルデータにする作業も必要です。

年表は出来事のサイズをそろえる

また社史の年表についても、これまで作ってきていないなら、一から作っていくことが必要になります。
出来事の扱いのサイズや掲載するしないの基準をそろえることも大事です。

最近の出来事のほうが記憶が鮮明なぶんトピックが多くなりがちですが、年表としてのバランスや数年後、数十年後に見てみたときに一時期だけ詳しいとアンバランスですよね。

憶えているものを何でもかんでも盛り込むのではなく、何を掲載するかあらかじめ基準を明らかにして載せましょう。

出来事を調べる際には、昔の会社のことを知る関係者へのヒアリングによって集めていくと思いますが、ポイントは、ヒアリングの前に基準をはっきりさせたうえで事実の収集にあたることです。

たとえば、
・画期的だった新製品の初代の発売年のみ記載し、改良版などの発売については載せない
・会社のオフィス移転や支店開設については載せるが、海外での合弁会社や準備会社については省く

などの基準を明らかにしたうえで、関係者へのヒアリングを進めましょう。

せっかく昔の記憶を頼りに教えてあげたのに、載せないとは何事だ!」となると、気分も良くないですよね。出来事の資料を提供してくれた方の好意を無駄にしないようにしましょう。

一人称か三人称か

社史の完成サイズによって、本文の文体を一人称にするべきか三人称にするべきかが変わってきます。

創業者が現在も代表取締役や会長としてトップにいるならば、一人称でも問題ありません。
「私はこのとき、~だと決断した。」などの語り口で時系列に語っていくだけでも本になるでしょう。
こうした創業からの波瀾万丈のストーリーは、創業時の苦労を知らない社員にとっても価値あるものとなります。

一方で社長も何人も代わってきたような歴史ある企業の場合は、現在の社長の一人称の語りでは違和感があります。
「そのとき山田は~決断した」
「1970年、二代目の社長となったのが長谷川だった」
のように、小説の登場人物のような名前の出し方を心がけます。

故人であれば、その顔写真を探しだし、初めて文中に登場したページの前後に入れてあげることでわかりやすくなります。写真の下には名前も入れてあげましょう。

以上、社史について最初に考えるべきことをまとめました。
単なる事実の羅列としてではなく魅力的な読み物をつくるためには、多くの労力と技術が必要です。
完成系をイメージしつつ、困ったら出版のプロに相談しましょう。

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