企業本での電子書籍のクオリティ、どこまで追求するべき?

電子書籍

電子書籍については、どういうつもりで読まれているかを紙の本とはちょっと違うマインドで考えなくてはなりません。

紙の本が欲しい時は、まず書店に行ったりAmazonなどで検索をしたりしますよね。そして目当ての本があれば立ち読みや試し読みをして内容をある程度確認します。

買うに値する本なのかどうかをきちんと確認するわけです。

最後に買って読む、楽しむ、実践するという段階を踏むのが紙の本です。

これが電子書籍になるとまず最初の段階から違っていて、インターネット空間で出会うので、そもそもその時本を読みたい気持ちではない場合もあります。
つまりYouTubeやブログやSNSなど、ネット上にたくさんある中の一つとして電子書籍のデータに出会うわけです。

たくさんある中の一つとなると、まずその時点で集中度が低いと言えます。

電子書籍はその場でパッと立ち読みすると言うよりも、一度ダウンロードしてから決められたページまでを試し読みする方式になっていますので、立ち読みと比べると一段階先に進む形になります。紙の本のようにパッと手に取って読めるわけではないからです。
また本の厚みやサイズ感なども分からないため、それを確認するにはもう一段階かかる事になります。まずWEB上にある他のものに打ち勝たなければならないですし、試し読みにもダウンロードが必要で、ここまで来てようやく読んでもらえる事になります。
これだけのエネルギーがかかるのが電子書籍の特徴です。

ところが電子書籍は物としての存在がないので、たくさんダウンロードしたデータの中の一つになってしまう事も考えられます。

つまりダウンロードしたものがたくさんあり、さらにその中の一つを読もうという意識になるわけです。これは紙の本を本棚から選ぶとか、一冊だけ買った本を取り出して読む行為とはまた別の意味になります。

特にキンドルアンリミテッドのような読み放題サービスの場合は、このような意識になりやすいので、どうしても存在価値が低くなってしまいます。要は大事にしなくなってしまう可能性が十分にあるわけです。

極端な例ですが、旅先でバッグから取り出したたった一冊の本、この本が読みたいと思って読み始める、これはとても大事だと言えます。
一方でスマホにたくさんあるアプリの中の一つ、さらに30個ダウンロードした中の一つとなると割合としてはかなり小さいと言えます。

もちろんそれを読むぞと思っているのであれば、存在価値は高いかもしれません。しかしやはり物として存在していないと、人間の認知的には存在価値が低くなってしまいます。

もう一つ物として存在がない分、気軽に持ち運ぶ事ができます。これは良い部分のようですが、いつもスマホに入っているといつ読んでもいい安心感があるのでずっと読まないままになってしまいがちです。しかし、後回しにしても何の邪魔にもならず困る事もありません。
いつでも読める事は、いつまでも読まない事に繋がるというわけです。

新刊だからとダウンロードしたものの、すっかり忘れていたなんて事もあると思います。こういった電子書籍の読み手の意識の低下は、上がる事はないでしょう。それを踏まえてどれくらいの価値のものとして作っていくかを考えなければならないですし、紙の本とは全く別の読者の心算を想像してあげなくてはなりません。

これを前提にどれくらいの予算で、どれくらいのクオリティのものを作るかを考えておきたいですね。例えばたくさんある中の一つなら、わりと気軽に読んでもらえるようにページ数はあまり多くない方が良いかもしれませんし、文章もわかりやすくしてイラストも多めにしようという考えも出てきます。これは先ほどのマインドが前提にあるからこその電子書籍作りの考え方と言えますね。

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