9割のオウンドメディア立ち上げが失敗する理由~失敗要因はどこにある?

オウンドメディア, コンテンツマーケティング, 情報発信

オウンドメディアにおける「失敗」とは

オウンドメディアは1年継続してやっと最低ライン、2年継続してやっと一人前という扱いがされるほど長丁場なもの。
「そんなに長くかかるのか・・・」と、企業運営としても非常に頭を悩ませるところだと思います。

一時期に比べて企業オウンドメディアの成功例も少なくなりましたし、うまくいっているように見えたメディアがある日突然閉鎖されたりということも珍しくない世界です。つくるのが簡単な分なくなるのも簡単という、世の常を表したような世界ではありますが、それでも体制をつくり、継続的にモチベーションを保って執筆していくことで、一定の成果を安定してあげることができます。

そのためにはオウンドメディアが如何にして心配するのか、その失敗要因をできるだけ知っておくことが続けられるコツではないでしょうか。落とし穴が立ち上げ当初やリリース時、中間期、円熟期でそれぞれあるわけですから、その落とし穴を巧みに避けていくことで安定した運用に近づいていけると思います。

ひとつのプロダクトをリリースしたり本を書いたりするのと違って、ウェブメディア運営は常にモチベーションを保ち続けなければいけません。いわば「マラソン」のようなものです。しかも自分でマラソンするならまだしも、やる人が変わるマラソンというチームマラソンのようなものです。

そのため1年2年続けることは大変な部類であると思います。

ここからは具体的に、オウンドメディアにおける失敗についていくつかお話ししていきます。

失敗要因1:記事数が足りない、書けない

まず第一にネタ切れが失敗の要因になります。やはり100記事を越えてくるあたりで、誰しもネタ切れを経験することになると思います。安定的に記事を書いていくには、どうしても企画を毎月立てる体制が必要なのですが、最初はたくさん書けそうだと思っていても書いていくうちに次第にネタがなくなり、インタビュー先もいなくなり、紹介するストーリーもなくなるといった形でしぼんでいくことがあります。

かといって宣伝記事ばかり書いていては、読者は離れていってしまいますから、次第に記事のネタがなくなってしまい、書きたくても書けないということが起こってしまいます。

失敗要因2:担当者が足りない、担当者の主体性がない

二つ目の要因としては、担当者が足りない、担当者の主体性がないということが起こります。

最初はウェブメディアを立ち上げようというところで担当者を気合を入れて2名〜3名ほど任命するのですが、ある程度形ができてくると担当者が減らされたり、また担当者に様々なデジタルの仕事が降ってくるということがよくあります。
たいてい一般企業の場合、オウンドメディア担当の部署というものはなく、デジタル部署の担当者が兼任するというケースがほとんどです。そのため新しいSNSの担当もやらなければいけなくなったり、デジタル戦略の変更に伴って仕事量が変わったりして、担当者のマンパワーが足りなくなってくることがあります。

また時間的には足りていても、担当者の主体性がなくなってきてしまうこともあります。つまり「やる気」がなくなるということです。
これが個人ブログであれば、やればやるほどアクセス数が上がっていくため、アフィリエイト収入も上がっていきますから、金銭的なモチベーションも続いていくでしょう。しかし会社員が担当してる場合、ある程度アクセス数が増えても報酬面にはさほど反映されないでしょう。するとネタ出しもアクセス数の維持も大変になるのに、報酬が変わらないとなると、やはり担当者のモチベーションの低下は否めません。
会社員なら仕方ない面でもありますが、これが自分のブログではない会社のブログをやる場合に大きく影響してくる部分です。

また人事異動によって担当者が変わってしまうことも考えられます。その場合、1〜2年間積み上げてきた知見を次の担当者にうまく引き継ぐことができないと、間違った戦略のもとに記事を運用してしまい、サイトがダメになってしまうこともあります。

特に外部とのやり取りが多いメディアや、ユーザーインタビューなどが多いメディアで担当者が変わってしまうと、それまでの暗黙のルールのようなものは一切共有されなくなってしまい、 トラブルが起きてしまうこともあります。これは実際に人材系のメディアでよく起こっている話だと思います。

失敗要因3:予算がストップする

オウンドメディアはまず最初にエネルギーが必要で、次はリリース前にもう一度、そしてリリース後半年から1年で徐々にエネルギーを減らしていくことが一般的な流れです。年間通じても予算がかかるところとエネルギーわかるところ、実際の成果が出るところが全く比例しないという特性があります。

成果が出る前に費用対効果を判断してしまうと、これから成果が出るかもしれなかった可能性を奪ってしまうわけですから、すごくもったいないことです。特に設立数年のベンチャー企業の場合、予算と費用対効果がシビアなものであまり長期的な視点で投資できないとことがあって、せっかく一年間取り組んでも次の1年で成果がわからないから、もう今の時点でやめてしまおうという費用判断が行なわれてしまうのも、仕方のないことです。

そのために予算がストップしてしまい、これからやっと芽が出るところなのに、閉鎖されてしまうということも起こり得ます。

これはもったいない話ですが、やはり成果が見えないものだとどうしても後回しになってしまって予算が厳しくなると、広告予算全体の中での相対的な位置が低下して、予算がカットされてしまうということも珍しいことではありません。これが代表者の判断であれば仕方がないことです。より直接的な広告を出したり、営業マンを増やすほうが成果が上がる場合もあります。

失敗要因4:成果が出ない、見えない

最後は成果が出ないということですね。2年やったけれどもあまりなかったということもあります。正しいSEO戦略とコンテンツ制作戦略を続けていれば、一定数の成果が出せるということが経験則上わかっているのですが、やはり最初の時点での戦略ミスや、一般的なウェブメディアのつくり方を知らないものをつくってしまうと、やってはみたものの成果に繋がらないということが起こってきます。

特にアクセス数がない分野でひたすら記事を書いていても成果が出るわけがなく、一年やったのに成果が出ないということになりかねません。これはSEOのルールを理解していないために起こる基本的な間違いです。ルールを知らないまま球技の練習していたようなもので、それでは試合で勝つことはできません。

各ファクター別オウンドメディアの失敗要因

人材面のオウンドメディア失敗要因

人材面の失敗要因でいうと、 Web メディアの長期性やルールを知らない、またはルールが共有できていないという二点が失敗要因になると思います。まずオウンドメディアが長期的なものであることを、担当者だけではなく全員が理解していないと続けていくことは難しいといえます。
長期的な視点に立った息の長い事業であることを、全員が共有しておかなければ成功は望めないと思いますし、長期的な協力を得るために必要なロジック、つまり「なぜこれを今やってるのか」「なぜこんなに時間かかるのか」ということをロジカルに説明できる知識体系がないと、辞めようという時にそれに反論ができないわけです。知識がないために続けられないということが起こってくるのです。

また立ち上げの最初はセンスによるところがあります。
どういうサイトにするか、どういう記事のつくり方をしていくか、どういうデザインするかなどはセンスによるところがあって、かなり属人的なものであるといえます。一方でリリースしたあとは、最初の戦略に則って粛々とやっていくような、システム化されたメディアになることが必要です。

もし誰かが入れ替わっても同じ状態を続けられるかどうか、システム化されているかどうかがメディアが続いていくポイントだと思います。もし特定の担当者が休みの日もやっているなどあまりにも無理をしているような場合だと、担当者が替わってしまった場合に続けることができなくなってしまいます。担当者本人のモチベーションが続かない場合などに突然その体制を止めてしまうと、個人の無理によって成り立っていたメディアは成り立たなくなってしまうわけです。

ですからリリース後は無理なく続けられる体制をつくっていかなければなりません。

これはなかなか自社だけで答えを実現するのは難しいので、実際に様々なWEBメディアのチームを見ている外部ディレクターに相談することが一番いいと思います。ディレクターは、運用を長く続ける”コツ”を知っているからです。

内容面のオウンドメディア失敗要因

これは非常に悲しいことですが、そもそも企業体が変わってしまうとメディアもつくり直すことになります。この場合、メディア自体を誰かに譲ることも考えなくてはなりません。企業体が変わると企業メッセージも変わってきますから、今まで伝えていた内容の意味合いも変わってくるわけです。そのため、メディア自体が使えなくなってしまうということです。仕方のないことですから、もう一度つくり直しということになります。
これは避けられないですし、前の企業体でつくったコンテンツを無理矢理もういちど使おうとすると、メッセージが合わなくなり、むしろ逆効果ということもあります。この場合はスパッと諦めることが大事です。

技術面のオウンドメディア失敗要因

技術面は一番最初の話で、そもそもメディアつくるにはどのような企画立案をすればいいのかを知らない場合があります。似たようなことをしている他社の今の完成形を見て、外面だけを真似しようとしてもなかなか難しい面があります。
ウェブメディアは外に出ている面だけではなく、内側で何が行なわれているかまでを知らなければ継続は難しいです。表面上を真似することができても、それを真似し続けることはできないわけです。

毎週どのような政策フローと企画フローがあって、どれくらいの人員やコストをかけているのかについては、同じ業界でも秘密情報だと思います。実際には他社から学ぶのではなく、専門のディレクターから一般的な方法について最初の時点でレクチャーを受けておくことが必要です。またさらに細かいライティング技術や写真の撮り方、うまい入稿管理の仕方や原稿管理の仕方というものも技術ですから、これも最初の時点でで会社に取り入れておく必要があります。

これらを無理に自社で見つけようとすると大きく失敗しますので、外部ディレクターから学んだほうがいいでしょう。

予算面のオウンドメディア失敗要因

予算面についていえば、「2年単位」でエクセルで大きく予算を立てることが必要だと思います。つまり2年後にどういう結果を残したいのか、アクセス数がどれぐらいあって、そのうちなんぶんのいちが製品を買ってくれて最終的に売上なるのかということです。
それを多少理想でもいいのでゴールを決めておくことが大事です。

ゴールから逆算して、じゃあ途中にはどれくらいのアクセスがあればいいか、どれくらいの赤字なら許容できるかというのを全て書いておき、その上で2年間で収支が合うと。そのためには社員にどれくらいのお金を使えて、外部の人にはどれくらいのお金を使えるかというのを学んでおくわけです。

経費はほぼ人件費なので、人件費を2年分計算して最後にプラスに転じるようにつくります。このエクセルを最初につくっておかないと、なぜ毎月30万円40万円が出ていくのかということが説明できないとただお金が出ていくだけなら無駄です。

例えば学生ライターや学生インターンに書いてもらう場合でも、いくらなら許容できるのか、それを明確にする必要があります。

例え学生だとしても無料はよくないですから、いくら払うかを決めるには根拠が必要です。予算ロジックがないと、もしどれぐらいの費用をかければどれくらいうまくいくという選択肢が示された場合に、判断できなくなるんですね。安ければいいということでもありません。

高くても成果が出るならやるべきですし、かといって逆にあのお金をかければかけるほど成果が出るというわけでもありません(回収できなくなりますしね)。
適度な予算を考え、なぜその予算でやるのかというロジックがないと社内で理解を得ることは難しくなります。
「2年後に480万円回収できるから、じゃあ月に20万円を使おう」といった感じですね。全体のエクセルを担当者と共有していくことが必要で、そうなれば外部に対してもなぜこの原稿料で依頼するのか、なぜこのディレクター料で依頼するのかということを明確に説明できるようになりますから、外部としても動きやすくなります。

オウンドメディアの継続にはロジックとパッションの両立が必要

最後に、ここまでロジックの必要性を説いてきたんですけれども、そうはいっても最初につくったエクセル通りに続けていくことは、強い意志がないとなかなか続かないものです。成果が出るまで最低1年、平均2年です。コンテ自体もやっとこの記事書いてる時点で1年なんですけれども、やっと毎日「Google Analytics」(アクセス解析ツール)を見るのが楽しみになるぐらいのアクセスなってきたところです。

アクセスをいただいているのをみてやっとモチベーションが上がるわけですし、今後それがさらに伸びていくために頑張るわけです。そういう細かい嬉しさを少しずつ得ていかないとなかなか続くものではないです。もしあのエクセル通りにうまく進んでいたとしてもやっぱりまだきついですし、他の全てを投げ出したくなることもあるかもしれません。つまりロジックだけでもなかなか続きにくいということも覚えておきたいものです。
やはり「褒める」とか、「あの記事よかったよ!」とか、「あの記事面白かったよ!」という声を社内からもらうとか、読者からの感想をもらうというようなちょっとした嬉しいことが続かないとなかなか続けられなと思います。その嬉しい気持ちを社長とか決裁者にも、こんな声がありましたよと共有していくことです。
または、「まだまだアクセスは少ないですけれども、こういう声が寄せられているので今後も続けていきたいと思います」、というように感情的なところも合わせていかないとなかなか続かないのかなと思います。
なかなかロジックだけでも続かないですし、この辺りもウェブメディアを長く続けていくコツかなと思います。

◇ ◇ ◇
以上の話をまとめると、ロジカルで情熱的な人がWEBメディアを続けていくことができますし、またそれを属人的なものだけじゃなく全員で共有して、全員が同じゴールに向かっていける環境を社内・社外ともにつくっていくことが必要だと思います。
それを最初の時点でうまくつくれて、さらにそれを長い視点を持って修正していくことができた人が、WEBメディアを続けられる企業になるのだと思います。

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