企業本を電子書籍で出すときのベストな文字量・ページ数は?

デザイン, ライティング, 出版, 電子書籍

電子書籍はページ数を自由に設定できるという利点があります。
ところが、いくら自由だからといっても、何の考えもなしになんとなくページ数を決めてしまうのはうまいやり方ではありません。
ここでは、電子書籍のベストな文字量やページ数について考えていきます。

紙の本のページ数が決まっている理由

そもそも従来の紙の本は、ページ数がある程度決められています。
オフセット印刷の原価の都合で、極端にページが少ないものは作れないですし、逆にページ数が多すぎると値段が高くなりすぎるという面がありました。

そのため、たとえばビジネス書だったら176ページ、192ページ、208ページ、224ページなどが標準となっています。
また実用書の料理本などは、80ページだったり96ページだったりします。

これら、紙の本のページ数は原則として「16の倍数」にしなければなりません。というのも、紙の本を印刷するオフセット印刷では、大型の輪転機を一気にまわすため、16ページ分を大きな紙にまとめて印刷してからカットしているためです。

なお文庫本だとさらに二分割するので、16*2で32ページ単位で設定する必要があり、足りない分は広告で埋めるか白紙で埋めるか、はたまた8ページごとカットする(カットするぶんコストは余計にかかる)という印刷の制約がありました。

電子書籍ではページ数の制約がなくなる

紙の本と比べ、電子書籍ではページ数の制約がなくなります。
極端にいえば数ページでもいいですし、1000ページを超えていてもいいかもしれません。

特に小説などはページ数をカットすることでストーリーが伝わりづらくなるなどの弊害が起こるため、ページ数を気にせず執筆できることは利点になります。

どれくらい分量があるかわからないものは苦痛

ただし、ページ数がいくらでもいいというのはあくまで著者サイドの都合にすぎません。
読者からしてみれば、あまりに長いものは読み終えるまで大変で、途中で挫折してしまうおそれもあります。

紙の本であれば、全体のページ数のうち、どこまで読み進めているかがわかるため、「2時間で半分まで読み終えたから、あと2時間で読み終えるな。いったん休憩しよう」など、おおまかな予想ができました。

忘れがちな電子書籍の特性として、「いま全体のどれくらいの位置まで読み進めているのか、直感的にわからない」というものがあります。
もちろん、スライダーを表示させることで、全体のどの位置にいるのかはわかりますが、一手間かかるぶん面倒ではあります。

これは制作側で見落としやすいポイントですので、注意しましょう。

ノウハウ書や実用ガイドであれば、短くてもかまわない

また、長ければ良いというわけでもありません。ビジネス書やノウハウ本に限っていえば、同じ内容を伝えるならば短くて簡潔なほうが読者にとって良いこともあります。

たとえば
・確定申告にあせったら読む電子書籍
・iPhoneの最新機種を設定する電子書籍
・春の京都を旅行するための電子書籍

などの時期ものやマニュアル、旅行ガイドなどは欲しい情報だけがまとまっているほうが読者にとっても探す手間がはぶけます。
これらはいずれも「すべて読まなくても使える」という共通点がありそうです。

ある程度前提知識があったり、簡単なことはスマートフォンでぱぱっと調べることができる読者を相手にしているとしたなら、
その人が検索しても調べても簡単にはたどり着けない情報」だけを選んで電子書籍にするのも手です。

分量は少なくなりますが、読者は分量を買いにきているのではなく使える情報を買いにきているのですから、「コンパクトにまとまっていてよかった」など評判はかえって良くなるかもしれません。

社史やPRを目的とした本は短めに

企業が執筆し、その事業を紹介するような電子書籍があるとしたならば、こちらも長いものは禁物です。
人はどれだけ好きなブランドやプロダクトであっても、宣伝めいた文章をえんえんと読ませられるものは苦痛になります。

せっかく出すのだから、あれもこれも盛り込もう」として年表や関係各所へのインタビューなど何でも入れすぎて、伝えたいことがぼやけてしまうことも起こりえます。

制作側が思うよりも少し少ないくらいがバランスが良いと考えましょう。

ベストな文字量は・・・?

以上のことを踏まえてベストな文字量を考えてみると、

1)ノウハウ本・・・読者レベルを考えて、そのレベルの人が知りたいものだけを簡潔にまとめる
2)小説・・・物語にとって必要であれば長くてもかまわない
3)PR本・・・伝えるべき内容を定めたうえで、不要なものを盛り込みすぎないように注意して分量を決める

となります。
読者は著者よりも本を読んでくれないもの。これを心得て、分量を決めていきましょう。

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